コロナで自粛生活が続いているので、心が静まりかえりました。そのせいか、小説を読みたいと思った。
改心してるっぽい。
どうせ読むなら、独特でセンスの良い文体を書いている人の小説が読みたいんで、安部公房の影響を受けている現代作家をググってみた。だけど見つからない。
しかたがないから、現代作家をググってみて自分が好きになりそうな人をピックアップ。中村文則という人の2020/4/16に発売したばかりの「逃亡者」を読んでみた。
嬉しいことに文中に安部公房のキーワードが登場する。
安部公房のような滑稽で整然として組みあがっているような文体では無いけれど、この本がシュルレアリスムの表現に重きをおいているだろうということは安部公房と共通点があると思った。
ここ1~2年だろうか。僕は無意識について考えることが多かった。日常の顕在意識は脆いなとか。この記事を書いている意識も脆いなとか。
心や精神について考えてばかりいて、それに関連する本も読み漁っていて、ある程度は納得してきたけど、この本を読んだおかげて新しい発見や安心できたこともあり、大変意義深い時間を過ごせました。文学だからこそ表現できることがあり、それはつまり芸術と向き合う時間も人間には必要ということで合点してます。
人それぞれ好みや趣きは異なるけど、中村文則の文体は読む者への佳境の起こし方が上手いと思う。
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